わたしは小学生の頃、腕相撲で男の子に勝ったことがある。
剣道をやっていたこともあり、力には自信があった。
だからそのまま勝ち続けるのだろうと思っていた。
ところが、だんだん腕相撲で男の子に勝てなくなっていった。
そのうちひょろひょろしたいかにも弱そうな男の子にも勝てなくなり、
すごく不思議に思った。そしてなんだか、悔しかった。
女は肉体的に弱い。どうしようもないことだ。
この映画は、ロックの女王に君臨するティナ・ターナーの
波乱の半生を綴った自伝「I,Tina」を基に、彼女の愛と苦悩を描いた作品だ。
天性の素晴らしい声を持つアンナ・メイ(アンジェラ・バセット)は、
カリスマ的な人気歌手のアイク・ターナー(ローレンス・フィッシュバーン)と出会い、
恋に落ちる。
彼女はティナと改名し、二人はスター街道を順調に進むが、
成功すればするほどアイクとティナの結婚生活は修羅場を迎えるのだった。
そしてアイクはティナに暴力を振るうようになる。
多くの場合、ドメスティック・バイオレンスを受けても妻は夫を許してしまうのだという。「ストレスがたまっているのだから仕方ない」とか、「ちゃんと反省しているから」とか。
けれど暴力は大抵繰り返される。
妻は何をすべきだったのか、それは許すことではない、「NO」と言い続けることだ。
ティナの場合、その「NO」と言える力をくれたのは、
友人ジャッキーが信仰する仏教だった。
ティナはすごく笑顔がステキな女性。
その笑顔と歌声で、白人も黒人も関係なく彼女の世界に導いてきた。
TINAは、すべての女性に希望を与えてくれる。有色人種としての希望、そして女としての希望だ。
この映画にたくさんでてくるティナのノリノリな曲も最高だ!
若い世代が聴いても絶対にいいと思うはず。
ティナが田舎娘から女へと成長していくのも、見ていてすごく楽しい。
特に女性には、絶対一度は観てほしいな。
蓮は沼地に咲く。
泥沼が深ければ深いほど、蓮は美しい花を咲かせる。
仏教徒はそれを見て、この題目を考えだした。
『南無妙法蓮華経』
9/11以前のタリバン政権下のアフガニスタンを描いた映画です。
主人公は自殺をすると宣言した妹を助ける為に、
命がけでアフガニスタンに帰る女性。
彼女は妹に与える生きる意味も求めて道を歩んでいきます。
夢も希望もなかなか見つからないアフガニスタンで、
彼女はその意味を見つけることができるのか?
ラストは曖昧なかんじで終わりました。
答を見つけなさい、というメッセージなのかも。
状況は最悪でしたが、その中で妙に善にこだわる人たちがいた気がします。
子供の笑顔も失われていく中で、
そういう人たちの善意こそが人間としての、残された希望なのではないか・・・
とわたしは思いました。
映像がものすごく美しくて、詩的です。
監督:モフセン・マフマルバフ
舞台は西アフリカの小さな村。
ある日コレのもとに4人の女の子たちが
女性性器切除の儀式からの”モーラーデ”(保護)を求めてやってきました。
そしてコレは”モーラーデ”をし、伝統に、支配者である男たちに逆らうことを決意します。
全ては未来の為に。
すごくポジティブに描かれた映画でした。
悲しいところにあまり触れないので、始めは少し怒りを覚えました。
でもラストのシーンではやはりズシリとくるものがあって、監督の意図がなんとなく解った気がしました。
どこの国でも、男は女を支配してきました。
西欧の『レディ・ファースト』はもともと、女性を弱者、さらにはペットとして見ていたからこそ生まれた言葉でした。
マジョリティがマイノリティを恐れるように、男は女を決して自由にしてこなかった。
だからこの映画では、女はラジオを聞いてはいけない規律ができます。
ラジオは教育を与え、教育を持った女が賢くなって男に逆らうことを、
男は恐れたからです。
私的な話になりますが、今でもわたしは、わたしが女であることを呪うときがあります。
毎月生理の激痛の日には、どうして女だけ・・?と何度も呪いました。
神は本当に女を罰しているのかもしれないとも思いました。
でも、性器切除に関しては完全に違うと言い切れます。神はそんなお告げを下していない。
「昔からいわれていることだけれど、どこにも書かれていない」んです。
この映画はユーモアがあって、楽しかった。
でもそれよりも怒り、怒りこそがわたしの心の中に沸々と浮き上がってきた。
みんな始めは儀式を受け入れていた。そういうものだと思っていた。
でも気付くんです。
自分のお金で買ったラジオが焼かれたり、
自分の娘が儀式で死んだり、
正義の商人が殺されたりして、
気付き始めるんです。何か違うかもしれないと。
わたしたちも無意識、意識的に盲目になるときがある。
でも恐れずに見なければならないこともたくさんあるでしょう。
そしてまた同じように、守るに値する伝統もたくさんあることに気付くのです。
モーラーデーのように。
この映画は第57回カンヌ国際映画祭で『ある視点部門 グランプリ賞』を獲得しています。
予告動画をみたい方はこちらからどうぞ→BIGLOBE ストリーム
FGM、アフリカの研究には・・
☆ 『ドゥドゥ・ニジャェ・ローズ パーカッション・オーケストラ』IN すみだトリフォニー・ホール
この映画のあらすじをAmazon.co.jpから引用します↓
最先端の技術を使って患者の精神世界へ入り込む治療を行っている心理学者キャサリンは、
ある日FBIから、異常連続殺人犯の脳に入り込み、彼が拉致した女性の監禁場所を探り出してほしいとの要請を受けることに。危険人物の精神世界へ入り込んでいくヒロインの冒険をスタイリッシュな映像で描いたサイコ・サスペンス・ホラー。
監督はインド出身で、REMなど数々のミュージッククリップを手がけてきたターセムで、これが長編劇映画デビュー作。
精神世界内におけるシュールな衣装デザインを石岡瑛子が担当し、大きな効果を上げている。やがて現実と精神世界の区別がつかなくなってしまうヒロインの混沌とした恐怖を、ジェニファー・ロペスが熱演。(的田也寸志)
わたしは今まで、この映画をお洒落なサスペンスだと思っていたのですが、
あらすじで分かるようにかなり不思議映画です。
なんせ「人間の精神世界」を映像化しているのだから。
これはもう、Alice's Wonder Landです。
人間の心理は複雑で、そして単純。
この心理というやつを考えるのは、「神とは何か」を考えるのと同じくらい難しすぎる問題です。
だって実体がないから。
だからこの映画も一生懸命「心理世界」を描こうとしているのがよくわかります。
心理学者を目指していたわたしとしてはかなり興味深い映画でした。
ただしグロイ場面もあるので、そういうの苦手な人はお控えを・・
15禁です。
黒人差別はよく話題になりますね。
別に大学で人種差別のことを習わなくたって、黒人は差別を受けてきた、ということは多くの人が知っていることでしょう。
では、黒人女性差別はどうでしょうか?
女性は男性の以下としてみなされてきましたから、彼女達がうけた屈辱は相当なものだったにちがいありません。
黒人、貧乏、女性、その上醜いと言われ続けたら・・
生きていくために体を売ることさえも難しくなるでしょう。
女としての誇りはもちろんのこと、人間としても屈折して生きざる負えなかったと思います。
カラーパープルという映画ではそんな女性が主人公になっています。
スティーブン・スピルバーグが監督ですが、もともとはアリス・ウォーカーという黒人女性が書いた小説です。
ピューリッツァー賞も授与されています。
黒人女性というと、わたしはただ漠然と『陽気でものすごく強い』というイメージをもっていました。
でもそれは民族のDNAなのか?決してそんなことはないと思うんですね。
そうならざるべくしてそのようなイメージが定着したのではないだろうか・・
そんなことが、この映画では見えてきます。
さすがスピルバーグ、1985年製作ですが、話の展開がスムーズで難しい内容にはなっていないので、ストレスなく観ていられます。