マニュアル本というのは、1割でもなるほど!と思えることを見つけられば良いなと思うんです。
気になるのが、最近の読者は10割の答えを求めすぎるのではないかということです。
本は読者にヒントを与えるべきだと思いますが、答えは読者が見つけるものだと思います。
しかしあまりにも答えをすぐにほしがる人が多いのではないでしょうか。
だから爆発的にマニュアル本というものが売れ始めたのではないかと考えています。
『就職活動をはじめる前に読む本』という本にメーテルリンクの『青い鳥』の話がありました。
ずばりテーマは「自己実現」とは何なのでしょう??ということだと思います。
あらすじは割愛しますが、主人公が捜し求めていた幸せの青い鳥というのは、実は飼っていた鳩だった、というのが結末の物語です。
わざわざ遠回りな話にせず、神様でも登場させて「実は君の鳩が青い鳥だよ」って教えてあげればいいのに・・
しかしそれではこの物語が日本に渡ってくるなんて到底ありえなかったかもしれません。
そもそもいくらじっと観察したところで、鳩は青い鳥にはならなかったかもしれません。
重要なことは、主人公が時間と労力を使って青い鳥を見つけるまでの過程をたどったことです。
青い鳥を見つけたことが重要なのではないのです。
同じように、すぐに答を手に入れることは、答えは見つかってもその人自信が成長しているかどうかという点は別物であると思います。
マニュアルはヒントでなけらばなりません。
ではでは、わたしはどんなヒントを朝倉さんの本で発見したのでしょうか。
その答えのヒントをちょっとだけ紹介しておこうと思います。
朝倉さんは以前、文筆家であり講演家である見山敏先生の本を読んで感動し、直接本人に電話をし逢いに行ったそうです。
この話で、ある少年のエピソードを思い出しました。
佐賀県から、16歳の少年が上京してきました。
目的は日本マクドナルドの経営者藤田田さんに逢うためです。
アポもとってはいないし、なかなか逢ってもらえません。1週間待ちました。
そしてついに面談できたとき、少年は「実業家になるためになにをすべきか」と質問しました。それに対し藤田さんは
「日本人は気付いていないが、これからはコンピュータ、それも小型コンピュータの時代になる」と答えました。
それからというもの少年はコンピュータについて猛勉強しました。そして卒業後には会社を興します。
それが今のソフトバンクです。もちろんその少年とは孫正義さんのことです。
朝倉さんも孫さんも思い切った行動のお陰でで本人にとってはかけがえのない体験をされています。
まずはとにかく全力でトライしてみる、するとおのずと周りも巻き込んでゆくことができるのではないでしょうか。
それからもう1つ、本の中にこんな文章がありました。
朝倉さんがある人に「本当は違うのにそういう風に言われてつらい」と相談すると、その人は
「足を引っ張られてるわけじゃないんだろ。君は頭を引っ張られているんだ。それはすごくいいことだよ。みんながそう思ってるんだからそういう自分になればいい。背伸びがやがて身の丈になる!」と答えたそうです。
そこでわたしはダンスを思い出しました。わたしはジャズダンスを習っているのですが、この踊りでまず大切なのは姿勢です。
足をあげるときも、常にピンとしていることが重要です。
そのために何をするか、操り人形になったつもりで、自分の頭が糸で引っ張られていることを想像するんです。
するとフシギなことにお腹があがって、首も長く見えて、その姿勢が踊るときの当たり前になってくるんです。
本当に操られているわけではないのにそれができたということは、それだけの力があることだと思います。
さて、少しは参考になったでしょうか。
これからもこのブログでは、わたしが見つけたヒント、そしてそこから導き出したわたしなりの解答を、たくさん紹介していきたいと思っております。
2006.04.22 01:36:31
誰かも言っていたと思うのですが、
重いタイトルですねぇ・・
この本は、「若者の不安」というテーマがあるのですが、この不安、よーくわかります。
別に財布の中に100円しかない!!どうしよ~とか、
暴走族の車に、自分のチャリをぶつけちゃった!!どうしよ~とか、
明確な事柄に対する不安じゃないんですね。
なんだかわからないけど、漠然とした霧の様な不安がいつもそこにある。
その不安を抱えつつ、とにもかくにも就活を始めてみる。
どんな就活の本にも大抵は「自分」や「何がしたいのか」を知ることの重要性が書いてある。
わたしのような真面目で正義感が強い人間は、一生懸命「自分探し」を始める。
すると・・なんと・・「自分探し」の泥沼にはまってしまう!
自分が何をしたいのかわからない?!働くってどういうこと?!
考えたらキリがない。そうなるともうパニックだ。
こんな話もありました。
企業家向けの情報雑誌『アントレ』の編集者はこんな衝撃的なコメントを言ったそうです。
「とりあえず”起業したい”という人は確実に増えています。その彼らの一番の悩みは”何をしたらいいか分からない”なんです」。
つまり、自分はそんなに小さな人間じゃない、自立してしまおう!!
でもやりたいことなんてわかりゃしないから、大義なんてなくたって起業した後で考えればいいじゃん。
というなんとも楽観的なパターン。でも確かに、確実に20代の若手社長のベンチャー企業はどんどん増えていますね。大学生兼社長なんていう人もいました。
精神科医として傷ついた大人を診て、大学の先生として悩める若者も見ている著者の言葉には説得力がある・・
納得いかない部分も少しはあったけど。
そしてわたしは結局こう思ってしまうんですね。
小さい頃から見せられてきた「働くことの美しさ」なんてものは幻想でしかないのだろうか・・
「20世紀最高の知性」と謳われる経営学のエキスパート、P・F・ドラッカーのインタビュー形式の著書。
この本を残し、ドラッカーは2005年11月11日、96歳の誕生日を一週間に控え、永眠しました。
彼は「知識社会」を定義づけるなどして世界に知られた人物です。
そんな難しそうな言葉はドラッカーの本を読めばいっぱいでてきますが、この本はそんなに難しくありません。
何行かの文章が1ページにある、という感じなのでとても読みやすい。
内容は、やはり最期を意識したのでしょうか・・
経営とか、グローバリズムなど、専門的な話はもちろんでてきますが、全体的に「生き方」を問い直されているような気がしました。
以下はわたしのメモ。え・・川端康成??難しそうだなぁ・・
この本を見つけたときの印象はこんな感じでしたが、タイトルに魅かれ読んでみることに。
そしたら・・読みやすかったです、意外にも。
そりゃ確かに「コーヒー」が「コオヒ」になっていたりしますが・・
女性ならすごく共感できるのではないかと思います。
男性ならちょっとしたカルチャーショックを覚えたりするかもしれません。
現代版の映画にしたら結構ヒットするんじゃないだろうか。
だって今話題の熟年離婚的な話や、仕事と結婚どっちをとるかなんて問題がでてくるんだから。
ということは昔からこういう問題はあったということですね。今に始ったわけではなく。
微妙な女心、それが細い糸が絡み合うように描かれています。
川端康成って男性なのに、こんな複雑な心を描けるなんて本当に繊細な人だったんだなぁ。
2006.02.27 15:25:59
『なんとなく日本人』、ちょっと難しそうだな、と思ったのですが、丁寧です。
日本人は、日本人なんだけれど、日本人とはなんなのかよく分かっていない。
探っても探って出てこなくて、それはリンゴの芯のように中央にドーンとあるわけではなくて、
むしろ、むいた後にでてくる玉葱の皮ようなものか、葡萄の一粒一粒のようなもの。
でも今後グローバル社会の中で生きていくには、改めて日本人について考える必要があるでしょう!
というのが著者の考え方。