この本の主人公ルウは自閉症の患者だ。
医者は、彼の自閉症を治そうと思っているのだろうけど、
自閉症じゃないルウは、ルウなのだろうか。
彼とは別人になってしまうのではないだろうか。
光よりも早く、暗闇に手を伸ばす力は、衰えてしまうのではないだろうか。
これはノンフィクションではないだろうけれど、
もしかしたら本当に自閉症患者はこんなにあらゆることを考えてから行動を起こすのかもしれない。
ラストがとても曖昧になっていた。
ハッピーエンドとはいえないと思う。
そんなラストで、わたしの心はまたゆらゆら揺らされる。
+引用+
p11
私はレーザーガンを使う戦闘ゲームが好きだったけれども、初めての面接でそのことを話したら、彼女は"暴力的性向"と記した。
「暗闇は光がないところのものです」とルウは言った。p245
「光がまだそこに来ていませんから、暗闇はもっと速いかもしれない―いつも光より先になるから」
「あるいは暗闇はまったく動きがないのかもしれない、なぜならいつもその場にあるから」とトムは言った。
成長することも、生きることもすでにじゅうぶん厳しい。p294
・・・・神は事故を防いではくれなかっらが、それを起こしたわけでもないのである。
銃身の外側は明かりに照らされていてちょっと光っているが、銃身の中は宇宙のようにくらい。暗黒の中から暗闇が私に向かって疾走してくる。
・・・・夢の中の光は、光の記憶なのか、それとも別のなにかなのか?p310
私はいつも、自分の疑問は誤った疑問だと思っていた。
なぜならほかのだれもそんな疑問はもたないからだ。
もしかするとだれもそんな疑問は思いつかないのかもしれない。
もしかすると暗闇がはじめにそこにたどりついたのかもしれない。
もしかすると私は、無知の深淵に触れtた最初の光なのかもしれない。
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