渋谷のBUNKAMURAで開かれている「ポンペイの輝き」という展示会を見てきました。
ポンペイという、いにしえの都はご存知ですか???
古代ローマ帝国で栄えたけれど、79年8月のヴェスヴィオ山大噴火で廃墟となった都です。
昔NHKか何かで特集をやっていた気がします。
もっとも、この大噴火で埋もれてしまったのはポンペイだけではありませんが。
大惨事で、あっという間に大勢が死にました。
保存環境が良かったようで、犠牲者の体は今でもその形を残していますし、貴金属はその輝きを失ってはいません。実際に展示物を見てみるとこの都がどれだけ豊かだったのか分かります。
「残されたものたち」は今でも、そのときに溢れていた笑い声、酒を注ぐ音、愛の囁き、そういうものをわたしたちの頭の中に描いてくれます。
耳を澄まして聞いてみれば、やっぱりこんな風に思うんです。
人間の営みは大して変わってはいないなぁって。
いくらいろんなものを発明したって人間は酔っ払ったりキスをしたり美しいものを身に着けたいと思ったりする。古代からの営みです。
人は自然の前では弱いもの。
どんなにお金を持っていても、死は決して逃れられない。
皮肉にも逃げるときに持っていった宝飾はそのまま何百年と輝き続け人間は灰と化しました。
だけどまた、そのときの人間の輝きも失われないと思います。
「残されたもの」たちと共に永遠にどこかで生き続けるのだろうと思います。
そのときにこそ宝飾に頼らない本当の美しさと、真の平安を手に入れるのかもしれませんね。
2006.05.05 00:01:20
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