昨日は『母たちの村』という映画を神保町の岩波ホールで観てきました。
この映画のテーマになっているのが「女性性器切除」(Female Genital Mutilation = FGM)です。
映画のお話は次回に回すとして、ひとまずFGMについてお話しようと思います。
FGMはアフリカを始めとする様々な民族の伝統的な通過儀礼として、2000年以上も続いているといわれている現在進行形の慣習です。
対象となるのは主に生後一週間の赤ん坊から初潮前の少女で、時には結婚直前や分娩直前の女性も含まれます。
内容は地域によって多少異なりますが、主に以下の通り。
1・クリトリスの包皮に切り込みを入れる。あるいはクリトリスの一部、または全部を切り取る。
2・クリトリスと小陰唇の一部、または全部を切除する。これが最も多く行われているタイプ。
3・クリトリスと小陰唇を切除し、尿と経血のためにちいさな穴を1つ残し、大陰唇を縫い合わせる。
これを「割礼師」と呼ばれる人が剃刀や鋭い石などを使って施します。
もちろん麻酔も薬もなし。
そのために、激痛や出血によるショック、感染症で死に至ることもあります。
無事に終わってもその後も精神的、肉体的な後遺症は深刻です。
尿道の閉鎖、裂傷、ろう孔(膣と膀胱、膣と直腸の間に穴が開いてつながってしまう)、性交時の激痛、性交為への恐怖、鬱病などが挙げげられます。
なぜこのFGMが執り行われるのか、主な理由としては
「伝統的な慣習だから」
「宗教的な儀式だから」
「女性の処女性と貞節を守るため(FGMを受けていないと結婚できない)」
「クリトリスは男性的特長(ペニス)だから女性には適切でない」
「女性の外性器は不潔で見苦しいから」「多産と安全な出産のため」
というようなことが挙げられます。
<つづく>
たまたまこのブログを読みました
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