擬似囚人と擬似看守の実験の映画、es[エス]。
この作品には数年前にものすごい衝撃を与えられた。
そしてes[エス]の監督、オリヴァー・ヒルシュピーゲル監督がこの映画を制作している。
ということで、すごく期待して観たのだけど、やっぱりすごい。
おもしろいというレヴェルではなく・・・なんか目が離せない。
映画はヒトラーの人間的な部分に焦点を当てている。
実は凄い良い人だった!というのでもなく、実はすごい冷血だった!というのでもない。
菜食主義で、女性に優しく、犬を溺愛していて、でも野望はすごく、お腹がでて、やつれた、一人の中年男でしかない。
けどちょっと思った。
どれだけあのナチスが残忍なことをしたか知らなくて、自分がしたことを後悔していると語った女性秘書と、ヒトラーと、一体どこが違うのだろうと。
映画に出てくるキャラは、仕事をまっとうしている。
子どももでてくるけど、みんな大人で、やるべきことをやる。
秘書も、ヒトラーも。
サラリーマンたちだ。
ひとつ違うのが、「忠誠」という言葉に雁字搦めにされていること。
宗教的なものも影響しているんじゃないだろうか。
でも、綺麗ごとみたいに「忠誠」しているんじゃなくて、「忠誠」しなきゃ、地獄行き!っていう脅迫的な「忠誠」を誓っている。
あ、でもそう考えるとサラリーマンもそういう面はあるか。
会社への「忠誠」。
だからなんとなく、共感してしまったのだろうか。
うーん、でも理解できないところも多々ある。
うーん、難しい。
この映画の中では、ヒトラーは自殺する。
といっても、なんだか曖昧な感じはした。
ヒトラーは生き延びたって噂を配慮しているのかもしれない。
歴史上の事実は、この監督にだってわかりっこない。
だからそこの点はちゃんとわかってみるべきだと思う。
そうすると、この映画は形を変えるきがする。
言葉にうまくできないけど、しいていうならさっき言った共感かも。
俳優はドイツ人。
特に、 ブルーノ・ガンツ演じるヒトラーは凄い!
存在感が凄い!
本人を知らないけど、乗り移ったんじゃないかとさえ思う。
名前がわからないけど、ヒトラーを支えた大臣を演じた俳優も凄いと思った。
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