タカオも広島で原爆を体験した人たちの証言を読んだ。読んでみればいかに原爆が悲惨でむごいことかわかる。幼児でもそれくらいの理解力はあるだろう。
わかってしまったら、どうするのか。そのあとのことがわからなかった。いっしょに泣くのか、嘆くのか、怒るのか。感情を寄せてしまった後のことを教師は教えてくれない。
そうそう、そこなんだよね!!
わたしもいろいろ社会問題について考えるけれど、そこがわからない。
わたしと被害者はやっぱり違う。
いくら真剣に被害者の話を聞いたって、理解することはできない。
でも、こういう原爆とかいった悲劇的な話を聞くと、どうしても苦しくなる。
大抵はすぐに忘れてしまうのだろうけれど、時たまわたしはそういう感情に摑まれて身動きできないときがある。
そういうときには、そういうときには…どうすればいいんだろう。
田口ランディさん自身も和光大学での講演のとき、感情移入しないように、ということを強調していた。
そうなんだ、そうそう。このどす黒い穴の中に、落ちたら大変・・・・
けれど、落ちること以外に一体何ができるっていうんだろう??
あ、でもこの本はそういうことをテーマにしているんじゃないと思う。
破壊と自然と神と人間…なんだか神秘的な世界。
わたしたちの心にも、真っ黒に焦げた顔に空洞の目をもった被爆のマリア様は、いるのかもしれない? 破滅の中の美しいひと・・・・!
ところで初めにでてくる原爆の火。
これは本当にあるのです、福岡県の星野村に。
見てみたいなぁ、いつか。
あらゆる命を消滅させたけど、でも、きっと永遠の炎なんだろうなぁ。
永遠って、どんな感じなのかなぁ。嬉しいかな、悲しいかな。そわそわかなぁ?
P165
「人間はなぜ核を作ると思いますか?」
「権力のためでしょうか…?」
「好奇心のためです。作ってみたいから作るのです。その結果のことはあまり考えていないのです。」
そうかもしれない。
「では、人間はなぜ核を使うと思いますか?」
「利益のため…?」
「いいえ。平和のために使うのです」
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